初めての連れ出し

もはや才能がないな、と自信をコテンパンに叩きのめされていた。

一人でやってたら間違いなく逃げてたな、と。

今日は、とある人に講習をお願いしていて、実技をみてもらう日であった。

 

道聞きから始まり、20人は声掛けしたであろう。

もはや人数などカウントする間もなく、次から次へと声掛けしていく。

一人じゃとてもこんな状況は作れない。

初心者は絶対に講習を受けるべきだ。

 

第一声の声が小さく、師匠にダメ出しされまくる。

明るく大きな声が出ても、今度は会話に繋がらない。

そして、とにかく緊張するので、ストレスがやばい。

 

3人くらいは、そこそこ会話になるものの、成果は挙がらず。ほぼガンシカ。

慣れて緊張しなくなるイメージが全く持てず、このままフェードアウトする可能性も頭の中には生まれていた。

 

『そろそろ終わりにしますか』

 

一人で歩いてる子を捕まえる。顔はほとんど見ていない。

 

「こんばんわ」

 

何故かピタっと止まってくれた。なんだろう?

とにかく喋り捲って時間を稼ぐ。すごく食いつきが良い。

よく見るとめちゃくちゃ可愛い子だった。

 

「良かったらお茶いこう」

『いいですよ』

 

信じられないが、バンゲ通り越して何故か連れ出しが成功してしまった。

そこで2時間くらい和み、バンゲ成功。

一応、軽く次のお店などを打診してみたが実家&終電ってことで終了。

ナンパとか絶対についていかないって言ってたけど、スムーズ過ぎたんで、きっとあれはきっと嘘なんだろうなぁ。

 

でもまぁ、おかげさまですごく自信がついた。

これは体験しないと絶対に分からない。

慣れて緊張しなくなるイメージが全く持てないって書いたけど、今はイメージできてる。

つらく苦しい状況は、1つの成功で消し飛んだ。

 

師匠に感謝。